楽天回線接続中なのに通信速度が遅い!?理由を徹底解説|楽天モバイル「Rakuten UN-LIMIT」

楽天回線を使用しているのに、思うような速度がでない。楽天回線の通信速度が遅すぎる!と思っている人がいるかもしれません。楽天回線は早い場所と遅い場所の差が非常に大きいのです。なぜ通信速度がでないエリアが楽天回線には存在するのか解説します。

楽天回線が遅い理由

椅子に座りながらスマホを弄る男性

楽天モバイルに遅い地域がある理由のひとつとして、楽天モバイルに狭い帯域幅で電波を吹いている基地局があり、この基地局にスマホが接続されていることが考えられると思います。

その他の考えられる理由はこの記事で紹介しているので読んでみてください。

楽天モバイルには1.7GHz帯の電波がアップロード、ダウンロードでそれぞれ20MHz幅ごと割り当てられています。楽天モバイルは利用者がまだ少ないため、20MHz幅の帯域幅があればそれなりに速度が出るはずですが、実際には通信速度がとても遅いことがあります。

これは楽天モバイルがまだ割り当てられている20MHz幅全てを使っているわけではないからです。楽天モバイルの基地局には20MHz幅全てを利用する基地局と、5Mhz幅しか利用しない基地局があります。5MHz幅で運用している基地局は、ダウンロード速度が最大でも37.5Mbpsまでしかでません。このような基地局に多くのスマホが接続されれば速度は当然遅くなります。

5MHz幅でしか運用していない基地局があるのは、楽天モバイルが悪いからではありません。楽天モバイルが利用している周波数が非常に面倒くさい問題を抱えているからです。

楽天モバイルの利用周波数1.7GHz帯について

楽天モバイルの利用している1.7GHz帯の電波は大きく分けて2つの問題を抱えています。

1つ目の問題は1.7GHz帯は比較的周波数が高いため電波が回り込みにくく、屋内や地下、建物が密集している地域などで電波が繋がりくいとい問題です。楽天モバイル以外のキャリアはプラチナバンドと呼ばれる周波数の低い電波と組み合わせて利用することで、繋がりにくいという問題を解消しています。一方で楽天モバイルは、4G通信用として割り当てられた周波数帯が1.7GHz帯のみであるため電波が繋がりにくくなっています。

2つ目の問題は楽天モバイルが使用する1.7GHz帯の周波数帯が既に利用されている周波数帯であるという問題です。1.7Ghz帯は周波数逼迫対策のため、公共業務用無線の再編を進め携帯電話などに周波数の割当を行うことになりました。周波数の再割当ての際に行われたのが「終了促進措置」であり、楽天モバイルで通信速度がでない地域があるのはこの措置の仕組が関係しています。

携帯電話事業者が、既存無線局を順次移行させながら基地局を整備し、順次サービスを開始する。携帯電話事業者が移行経費を負担することで、終了促進措置に必要な期間を短縮できる。
出典:終了促進措置の制度概要https://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/system/ml/mobile/1700_3400/1700_3400_gaiyo.pdf

「終了促進措置」とは、基地局の開設計画の認定を受けた携帯電話事業者等が、開設指針及び開設計画に従って、国が定めた周波数の使用期限より早い時期に既存の無線局の周波数移行を完了させるため、既存の無線局の利用者との合意に基づき、移行費用等を負担する等の措置

出典:終了促進措置の制度概要https://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/system/ml/mobile/1700_3400/1700_3400_gaiyo.pdf

「終了促進措置」とは携帯電話事業者が移行経費を負担することで、移行終了までに必要な期間を短縮できる措置です。上図のように「終了促進措置」では、移行完了地域から順次携帯サービスを開始することになっています。楽天モバイルが使用する周波数帯は防衛省の公共業務用無線が使用していた周波数帯と被っており、公共業務用無線の移行が完了していないエリアでは割り当てられている周波数をフルで使用することはできません。

通常、楽天モバイルでは移行が完了していないエリアではアップロード、ダウンロードでそれぞれ20MHz幅ごと割り当てられています。楽天モバイルは利用者がまだ少ないため、20MHz幅の帯域幅があればそれなりに速度が出るはずです。一方で移行が完了していない地域の基地局では、5MHz幅で基地局が運用されています。5MHz幅で運用している基地局は、ダウンロード速度が最大でも37.5Mbpsまでしかでません。このような基地局に多くのスマホが接続されれば速度は当然遅くなります。

楽天モバイルが利用している1.7GHz帯は、電波が届きにくいという問題以外に通信速度が出にくいという問題があることがわかります。ただしこの問題は一時的なものであり、公共業務用無線の移行が進むことによって解消されるでしょう。

公共業務用無線の移行スケジュール

既存免許人の周波数移行により、新太に周波数割当を受けた者が利用可能となる想定スケジュールは次の通り。 平成30年度/関東、中国(山陽)、四国、九州北部 平成31~32年度/信越、北陸、東海、近畿、中国(山陰)、沖縄 平成32~33年度/東北南部、九州南部 平成33~34年度/北海道、東北北部
出典:第4世代移動通信システムの普及のための特定基地局
の開設に関する指針案について
https://www.soumu.go.jp/main_content/000517622.pdf
  • 平成30年度/関東、中国(山陽)、四国、九州北部
  • 平成31~32年度/信越、北陸、東海、近畿、中国(山陰)、沖縄
  • 平成32~33年度/東北南部、九州南部
  • 平成33~34年度/北海道、東北北部

公共業務用無線の移行スケジュールは以上のとおりです。「終了促進措置」では、移行完了地域から順次携帯サービスを開始することになっているため、地域によって帯域全体を使ってサービスが提供される時期が異なります。

楽天モバイルでは、個別の無線局ごとに免許を受ける個別免許と同一タイプの複数の無線局の開局を可能とする包括免許のいずれかの免許を取得してい基地局から電波を発射しています。

当初は全てのエリアの基地局を5MHz幅の包括免許で取得していましたが、関東エリアについてはサービス開始までに20MHz幅の認可がおりたため、サービス開始当初から20MHz幅でサービスが提供されています。

その他のエリアでは5MHz幅でサービスが提供され、20MHz幅の基地局を設置する際は個別免許を取得していました。一部の5MHz幅の基地局は包括免許から個別免許に切り替えて20MHz幅で運用しているものもあります。また近畿、四国などでは既に包括免許が20MHz幅になっています。5MHz幅の基地局は順次20MHz幅での運用に置き換えられていくと思われます。

楽天モバイルの基地局等の情報は総務省の電波利用ホームページから閲覧できます。

5MHz幅で提供される下り周波数帯は、1840~1845MHzで中心周波数は1842.5MHz、20MHz幅で提供される下り周波数帯は1825~1845MHzで中心周波数は1845MHzです。電波利用ホームページは都道府県で基地局免許の絞り込みもできます。楽天モバイルの基地局免許の状況に興味のある人は調べてみると良いでしょう。

5MHz幅の包括免許で提供されているエリアでも、20MHz幅の個別免許基地局が増えてきています。現在通信速度が遅い地域も今後に期待できそうです。ただし3大キャリアでも地下鉄など場所によっては5MHz幅など小さな帯域幅で運用されている場所もあります。最終的にすべての基地局が20MHz幅化されるかはわかりません。

楽天モバイルはおすすめか

関東や近畿の都市部に住んでいる人は楽天回線使い放題の恩恵を十分に受けられますが、楽天回線エリアが狭かったり、通信速度が遅かったりする地域では楽天回線使い放題の恩恵を十分に受けることはできません。自分が住んでいる地域の状況を総合的に判断して楽天回線を契約するかどうか決めたほうが良いでしょう。

楽天回線エリアの広さや基地局の帯域幅といった問題は将来的に解消されていくはずです。楽天モバイルは新規参入MNOとしては異例の速さで基地局を整備しています。大手3社にはまだ敵わないところも多いですが、これから改善・成長していくと思うので今後に期待したいですね。

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